5-A 陽光白(シャイニングホワイト)
突然、春が訪れる。木々の枯れ枝の先端からうっすらとした緑が始まる。朝露に反射した陽の光がとてもまぶしく感じられる瞬間にあらわれる。初夏の風に揺られてキラキラ光る葉裏の白さも同じようなイメージに見える。澄み切った季節の中でしなやかさを感じさせてくれる。深い緑、樹木の焦げ茶を引き立ててくれる。
5-B 氷雨(ひさめ)
紅葉の最盛期が終わりかける10月、灰色の空から冷たく引き締まった雨粒が降りてくる。葉が落ちて寂しくなった木々の間をストレートに地面まで届いてしまう。雲の上では多分雪だったのが、途中で雨に変わった瞬間に水滴となる。日に日にみぞれ混じりから雪に変わり、透明のうす青さからじょじょに白っぽくなる。秋から冬に変わる瞬間の出来事である。